#0 はじめましてのご挨拶

こんにちは!スペインバスク在住のドゥーラ(※)、寺本裕美子です。
★オンナの保健室★ にご登録いただき、本当にありがとうございます。
(※) 「ドゥーラ」とは、主に妊娠から産後のプロセスの生理的・心理的・社会的な面を学び、女性が主人公として希望する納得いく体験となるために、継続的なサポートを提供するお仕事です。
このレターでは、主に今不足している月経周期の健康な過ごし方に関する情報と、それに関連するテーマをお届けします。
女性の健康とウェルビーングのために、一人でも多くの方に「種まき」のように情報を届け、受け取る一人一人が、自分に合った形・自分に心地よいリズムで、すでに備わっているチカラを信じながらより心地よく暮らせるためにお役に立つと嬉しいです。
私のミッションは、もっと女性が生きやすい社会となるために、学んできたことを一人でも多くの人に届けることです。
なぜそう思うようになったのかを伝えるために、少しだけ過去をさかのぼると…
私は、もともと旅が大好きで、これまで色んな国の文化に出会い、色んな女性のあり方やその地域ごとの考え方にも常に興味を持っていました。
今のバスク人のパートナー(息子たちのお父さん)に出会い、スペインバスク地方に移住したことは人生の大きな変化でしたが、現在16歳になる長男の出産は、それをはるかに上回る、「自分」というアイデンティティを本質的なところからガラッと変える出来事となりました。
まず、
「しまった、命の誕生を甘く見ていた!!」
「自分の身体のことを、何も知らなかった!!!!!」
と、産んでいる最中に思い知らされ、反省したのです。
同時に、「身体=自分」という地図を手に旅するような、別の惑星に生まれ変わったかような人生を送るようになりました。
「女性は何度でも生まれ変われる」と聞きますが、当時は本当にそんな感覚があったのです。
そして、女性の身体についてもっと知りたい!!という気持ちがどんどん強くなって、今暮らすバスクで育児をしながら、妊娠・出産・産後や育児はじめ、性について学ぶ道を選びました。
ドゥーラになるために学んだあと、産婦人科医師、理学療法士、医療人類学者、フェミニスト経済学者、性科学や栄養学、生物化学などの講師のもと、女性の健康、女性医学の歴史についてなど、学びは広がっていきました。
健康の土台と言えるにもかかわらず、「もっと早く知りたかった」ことばかり。
だからこそ、もっと多くの人に知ってほしい。社会全体が知って、もっと語り合えるべきだ、と思うようになりました。
情報が足りない!
そして、この学びのプロセスは、「自分と向き合う」「自分の感覚・感情を察する」といった自己理解、自己受容の修行のようなものにもなり、同時に、自分の中にあった「決めつけ」「思い込み」の多くに、気付く経験にもなりました。
「ありのままの自分でよし!」というレターのタイトルは、その頃頭の中を何度も何度もよぎっていた気持ちなんです。
性へのタブーや、はしたないものと捉えられがちな身体のことは、自分で身体のことを決められるために、身体の持ち主がちゃんと知って選べることが大切です。
なぜなら、プロセスを自覚しながら、自分に合った形で楽しめることは、私たちの「権利」だからです。
けれど、実際は本当に知らなかったことだらけで、「どうして小さなころから教わらないんだろう?」と思うことばかり。
月経や更年期については症状、不調が「普通化」されていたり、妊娠出産に関しては不安を生むような情報に溢れている。
現代は、全体の7割ほどが周期中の不調に悩んでいる、という調査がいくつもあります。
ですが、多くの方にPMS(月経前症候群)や生理痛があるからといって、生理現象である身体の自然な機能に、痛みや苦しみをもたらすものは本来一つもありません。
「毎月不調で困らせる生理なんて、ない方がいい!」そう思うのも仕方がありません。皆、健康に、心地よく暮らしたい。悩みから解放されたい。自然な望みです。
でももし、「その不調は、身体が健康だからこそ、症状をとおしてあなたに『何かできることがあるよ』と語りかけてくれているからなんだよ」と聞いたら?
あなたはどう感じますか?
月経について、どのように見聞きしてきたか。
どのような考え方がある社会に、私たちは生きているのか。
あなたは振り返ったことがありますか?
変な例えかもしれませんが、
これまで「よく知っている」と思っていた誰かについて、何かの機会で「へえ~、こんなことする人だったんだ」とか「そういう考えを持つ人だったんだ、意外!!」と、新たに発見があったということ、ありませんか?
苦手、嫌いで、どちらかというと関わらないようにしていた人が、実際に話してみたら以外にも気が合い、今では仲良し!大好き!!と変わった経験がありませんか?
人でも物でもいいんですが、何が言いたいかというと、見聞きしたことで「これは〇〇」と思っていることは、自分から向き合って感じてみると、全然違っていた。見方が変わって誤解や偏見だったと気付くことって、よくあると思うのです。
感じれば感じるほど、探れば探るほど、色んな発見があるんだけれど、わたしは 同じことが、身体との関係に起こっていたんです。そして、教わらなかったがために、痛みを我慢したり、しょうがないと諦め、厄介な存在としていやいや月経と付き合っていました。
そのような経験をしてきた、または今そのように過ごしている人が、より前向きに過ごし、よくあるネガティブ寄りなメッセージではなく、もっと明るい見方で語り継げるような社会になってほしいと思っています。
「保健室」という名前にしたのは、身体・性について話す場が少ない今、一人一人違う気持ちを自由に表現できたり、女性同士の繋がりを感じられたり、ただほっとする癒しの時間やエンパワーになる場づくりのために、オンラインで開催する「月の集い」の参加者から、「学校の保健室を思い出しました」「裕美子さんが保健室の先生だったらよかったのに」と言われたことがあるからです。
このニュースレターを読む時間が、「あなたのための時間」「心の栄養」として役立ち、より健康で豊かな暮らしを送るためのヒントになれば嬉しいです。
どうぞ宜しくお願いします。
バスクのユミコより。
プロフィール
ドゥーラ・通訳・月経リテラシー アクティビスト
2002年からスペインバスク地方在住
2007年の出産を機にドゥーラ(*)となるために学び、妊娠出産サポートに携わる。
2015年から、スペインで産婦人科医師や理学療法士、ドゥーラ、性科学、心理学、フェミニスト経済学、教育学、精神神経内分泌免疫学(PNEI)、栄養学、生物化学などのさまざまな領域の講師のもと、女性の身体や月経周期について学び、現地でワークショップや講座を開催。
2020年から日本人を対象に発信を始め、オンライン女性サークルや講座、プライベートセッションを提供、イベント登壇や出前講座も行う。
2021年「リプロ・リサーチ実行委員会」、「#もっと安全な中絶をアクション」メンバー、「CAPS(スペインの女性の健康専門家ネットワーク)」会員。
(*)「ドゥーラ」とは、主に妊娠から産後のプロセスの生理的・心理的・社会的な面を学び、女性が主人公として希望する納得いく体験となるために、継続的なサポートを提供する寄り添い役です。
Instagram:@yumiko_doula_basque
すでに登録済みの方は こちら