#23 わたしの身体はわたしのもの。

任せていてはいけない、身体のこと
寺本裕美子 2022.10.09
誰でも

こんにちは!  

スペインバスクより寺本裕美子です。 いかがお過ごしでしょうか。

スペインはもうすぐサマータイムが終わり、突然午後17時すぎにはどっぷり暗くなる、という身体に悪い(笑)時期がやってきます。

次男坊は、「1時間多く寝れるぜ♪」とよろこんでいましたが、またこれ慣れるのに時間がかかる人も結構います。(←わたし)

日光を浴びる時間がぐんと減るんですねー、朝起きたらまだ真っ暗だし身体がいまいちシャキッとしない!!

でも、おいしい季節になるので、楽しみもあります。

ちなみに友人から種をいただき、今年は大根と高菜を植えることができまして、キムチや漬物を作れそうでウキウキです。あとはお味噌もそろそろ作る時期ですかね。ああ、忙しい♪(笑)

さて、

今日はちょっと辛口でいきます。大切なテーマなので、お付き合いいただけたら嬉しいです。

最後に栄養満点スウィーツのオリジナルレシピを紹介しますね。(甘口で。)

月経周期を良く知って身体の変化を把握することは、自分をさらに発見したり、自分に合った暮らしを探るというサイコーの愛情を注いだり、より充実した性プロセスを歩むための大きな道具になります。月経・月経周期は私たちの生きる証、健康の土台、バイタルサインです。

女性の健康をもっと大切にする文化となるために、いま多くの国でこれまでの文化やタブーは見直され、「月経教育改革」がされています。女性がどんどん広い範囲で動き、声を上げています。

スペイン語圏はこういった女性運動、ジェンダー分野がとても活発なので、スペイン語出来てほんと良かった…としみじみ思っています。

日本でも、最近中絶の話題などで「性の健康と権利」について少しずつ情報が広がってきていますが、「身体のことは自分が決める」という権利を満たしたり、心と身体の健康を享受するためには役立つとは言えない、管理的な制度と教育がまだ根深く続いています。

いまだに「女性らしさ」「男はえらい」という古い観念にこだわる政治家が、国を運営しようと踏ん張っている(早く引退してくれ)。いまだに明治から続く法律を維持したり、当事者ではない男性陣が女性の身体のことを決めている。政治で女性の実質的に参加するのはハードルが高く、性別を超えて協力し合うことができていません。(みんな、選挙行こうね)

先進国の中でこんなに長い間経済成長しない国は日本だけですが、これは、そういった環境に強ーーーく関係しています。

国を仕切る側には、「女性のための」女性の心と身体の健康を向上する制度に向けた強い関心がないのです。または、必要と思って社会課題である、と訴える議員がいても少数派でなかなか届かない現実があります。

そして月経のことも含め、「国が女性の身体を指導、管理する」という文化を引きずって、身体のことを医療にゆだねることが「普通」とされています。

だから、医療者と女性の関係は上下関係なままで、女性に正しい情報が届かなかったり、従うしかないという圧を感じさせたり、都合の良い消費者扱いをされ、感情がある生き物であるにもかかわらず、ケアが必要な性にまつわる分野でも女性の権利を侵害しているケースが沢山あります。

これ、変えてもらわなければいけないことです。決して言い過ぎではありません。

「My Body My Choice」、私の身体は私が決める、という女性からの主張がされ始めて久しいですが、これからもどうしてそれがなかなか叶わないのか、叶わないとなぜ困るのかを理解したり、なぜ、何のために叶えたいのか、ということが社会で対話される必要があります。

例えば、コロナ禍のお産。

一番女性が必要な時に、信頼・安心できる人の立ち会い出産が禁止されている

陽性の場合、感染予防対策だからと医療的に本来必要ではないケースも、全例帝王切開が行われる施設が沢山ある

産後直後にお母さんと赤ちゃんが別々にされ、授乳ができない、スムーズにいかず辛い思いを強いられている

コロナ禍ではない時に、このような事例が増えたらどう思うでしょうか。

「医療スタッフに囲まれる中一人で産むより、一緒に育児をするパートナーに立ち会ってほしい」とか、「信頼する人がいてほしい、安心して産みたい」と思う方が多いでしょうし、

妊娠の経過も良く、特に問題がないのに、施設や医師が「帝王切開にします」と言ってきたら、「え、どうして手術されなきゃいけないんですか?」と思うと思います。説明してほしい大切なことです。産む場所を変えたい、と思うかもしれない。ほかの手術だったら、同意を得るはずです。

そして、やっと生まれてきた我が子に会えない、触れないなんて、非人道的です。赤ちゃんはお母さんとくっついていられることが産後は一番大切なのに、ストレスで辛い思いをします。授乳だって、栄養、安心のためだけではない。母子ともに産後の健康や発達のために必要だからおっぱいが出るようになっている。


そういった自然のメカニズムが、国の制度やそれによる医療側の都合で壊され、当事者のその後の暮らしに影響するなんて、できる限り避けなければならないことです。

ところが。

いまだにそんなことが起こっている。

実際海外では研究の結果WHOなども「安心して産める環境に恵まれること、信頼できる人の立ち会いを求めることは女性の権利」として長らく認めていることです。女性にとって納得がいき、ポジティブなお産となるための推奨事項なんです。

「推奨」ということは、そうしないと女性の健康という基本中の基本の権利を、ケアする医療者として侵害しているのですよ、と言っているのと同じです。そして、この権利は「たとえ緊急事態でも奪われてはならない」とコロナ禍に多くの場で公表されています。

また、コロナ禍のお産に関して、陽性であるからと言って帝王切開の手術がされる必要があるとは科学的根拠を掲げる機関は、どこも言っていません。でも日本の厚労省は、はじめは分娩時間を短くするため、スタッフなどへの感染を防ぐため、と理由を付けて「やむを得ない」とし、今では主任医師の判断に任せています。でも、帝王切開をすることで感染が予防できるという科学的根拠はないのです。どうして国からその必要はないですよ、と言ってくれないのでしょうか。

帝王切開は、そうでない場合と比べて医療スタッフの人数がより必要になるし、人員が足りない今、スタッフがもっと忙しくなるというデメリットもあります。

書ききれないのですが、

私はこうしたい、私はこれはおかしいと思う

と声を上げる人とそれを聞いてくれる場所がいま、とても必要です。

情報が力となる。そのために、「リプロ・リサーチ実行委員会」という団体を昨年他4名の女性たちと一緒に立ち上げました。 

関心ある方、無い方、色々かと思います。でもこれは、社会全体に影響することだと思っています。サイトを覗いて情報普及のお手伝いをしていただけたら嬉しいです。

来週月曜日の10日の日本時間21時から(明日ですが)、実行委員会主催で医療者、コロナ禍の出産体験者、様々な専門家、メディアや政治家で集まってお話し会をします。作戦会議と言いますか。

とにかく、今の状況をより良くするためにできることをしています。

不定期でお産の体験談や現場の状況を伺うZoomの会もしていますので、シェアしたいと思ってくださる方は、ぜひご連絡ください。

今日もお読みいただきありがとうございます。

最後は甘口で終わります。(笑)

先日、月経の相談を受けた女性からリクエストがあったので、レターでもシェアしますね!

★女性の味方!ユミコ風ケーキのレシピ★

結構ずしっと来るので(笑)
デザート、というより朝食とか運動多めの日、月経前にほしくなるかも。

運動量の多い子供のおやつにも栄養満点です。

それでは、また次回のレターでお会いしましょう。

バスクのユミコより。

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