#80 身体との関係の仕切り直し

こんにちは。寺本裕美子です。
今日もレターを開封してくださり、ありがとうございます。
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こちらスペインの女性の健康の専門家ネットワークに会員として参加しているのですが、なんと先週、「とある大学の教育学部で、月経教育の大学院コースが開講する」というニュースが入りまして、早速申し込んだ私です。
スペイン初の出来事で、みんなで大変盛り上がっております。競争率高すぎで、選考されない可能性もあるのですが、必要ないのに願書を自主提出して(笑)、現在結果の通知待ちです。
…どうか選ばれますように!!!!!(x1000)
~振り返りの大切さ~
自分のことを振り返ることは、何についてでも役立つなあと思うのですが、それを誰かと共有できること。これも喜ばしいことです。
ドゥーラ(※)の勉強を始めた時、
(※ドゥーラとは、妊娠から産後のプロセスの生理的・心理的・社会的な面を学び、女性の希望を尊重し、主人公として納得いく体験となるために、継続的なサポートを提供する寄り添い役です。)
なんと、受講生全員でじぶんの誕生から、初潮、母娘の関係、様々な性的な体験、妊娠出産産後…それまでの、自分の道のりを見つめ直すという、とっても深いワークから始まったんです。
自分の過去を振り返り、向き合い、受け入れ、場合によっては許し、決着をつけていることは、ジャッジなく中立的に、誰かの妊娠出産のプロセスに寄り添うためにとても大切なんですね。
産むご本人の貴重で唯一無二の経験なのに、それをとおして自分の経験によってよみがえる感情が映し出されるのはいけないし、継続的に寄り添うからこそ依存関係に陥らないために、必要だったと思います。
それで、自分が生まれた時のことについて、母に色々思い出してもらいながら電話でインタビューをしましたが、そのストーリーで感じたことは本当にディープすぎて、消化に時間がかかりました。
お産がテーマの、ポッドキャストのエピソード#2で、一部お話ししているので、良かったら聴いてみてくださいね。
この自分の道のりを振り返ったことで、性にまつわるたくさんの思い込みに気付かされ、社会の色々なことを問い直すようになりました。もう、かれこれ15年前の話になります。
「性のこと」。「命のこと」。
私たちが生まれるために、排卵・月経があることは欠かせなかったはずです。
その欠かせない大切なことを、大人の優しい眼差しのもと、もっと喜ばしい気持ちで安心して迎えられることは、その後の性プロセスと自分自身の受け入れ方を大きく変えるんだ…
これは、学んでいたその当時、気付いたことです。
むかしは、月経があること自体を拒んで、受け入れきれていなかった私ですが、いまは、周期性ある身体を生きることは、ある意味「特権」だと感じています。
周期がある限り、私たちは何度でも「生まれ変わる」「何かをクリエイトする」チャンスがある。
身体・性・命と向き合いながら、その豊かさを楽しむきっかけとして、身体が命を育み産み出すことまでできるように創られている。
排卵・月経がなければできないことです。
そして、実際に出産をすることがなくても、「周期性がある」ということは、自然の色々なものを見てもわかるように、やはり豊かであり、それぞれの性質を活かせる素晴らしい創造性とパワーを備えている、という証拠でもあると思うんですね。
ところが、世界中のほとんどの国で、「月経」を称する「あだ名」が存在します。
その数は、なんと4.000通りにもなるそうです!!
たとえば、スペインでは「おしっこ」「うんち」「おなら」(すみません)は、昔から子どもも大人もフツーに使う単語です。でも、同じく生理現象である「月経」という単語を堂々と使えるようになったのは、近年のこと。
このいらない「特別扱い(仲間外れ?)」のおかげで、私たちの世代に、初めての生理について「いい思い出です!」という方は、残念ながら多くありません。
本来のパワーを発揮していくチャンスが、スタートからいけないものかのように包み隠される、そんな経験を、これから迎える人たちにしてほしくないな、というのがわたしの本音です。
それが、より明るい、優しいものと変わっていくために、大人が振り返ったり向き合うことも、本人のためだけでなく、周囲のためにもとてもいいことと、循環されていく力にもなります。家庭などで性教育をするなら、なおさらのことです。言葉の使い方は、人の認識を大きく変えますよね。
あなたは、初めての月経が来るころ、そして来た時に、どのように感じていたか覚えていますか?
ご両親や、お友達の反応、教わったことなど、どのような思い出がありますか?
あなたのお母さんやおばあちゃんの、月経に対する考え方を聞いたことがありますか?
どのように過ごしていたか(感じていたか)知っていますか?
月経について身近な女の子たちに何か伝えるとしたら、どう伝えようと思いますか?
2月23日(木)の日本時間20時から、「月の集い」をズーム開催します。
まさにこの「初潮の振り返り」をテーマに、参加者の皆さんとお話しできたらと考えています。
関心がある方は、メールまたはインスタグラムのDMから、ご連絡くださいね。
詳細をお伝えいたします。
バスクでは、真冬のはずなのに、暖かすぎて早くも花粉が飛び交い始めました。
冬は、自然光を浴びる時間、身体を動かす時間が少なくなりがちですが、どちらもホルモンバランスが整うために大切な習慣です。
PMSや生理痛の症状が秋・冬に重くなる、という方は特に、日光浴や夕陽を浴びる、そして身体を動かす工夫してみてくださいね!
今日も最後までお読みくださり、
ありがとうございました!
バスクのユミコより。
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